理想世界に消された少数派意見!映画マイノリティ・リポートを考察
出典:U-NEXT
人間の予知能力で未来に起きる犯罪を未然に防ぎ容疑者を捕まえる事が出来たら、それは「安心安全の理想の世界と言えるでしょうか?」
しかし未来は不確定のはず。
ただ多数派の意見(予知)によって選ばれた未来であればそれは納得できるでしょうか?
マイノリティ(少数派)は現在の民主主義においては必ずしも着目されません。
あなたも「学校」「会社」「サークル」などの集団生活で感じているかも。
それは未来の世界そう理想の世界、そして映画の世界でも同じです。
この事実は恐怖と言えるでしょう..
もし、あなたが少数派(マイノリティ)だったら!!
今回の映画三昧生活で紹介するのは、そんな少数派意見が消された恐怖、映画「マイノリティ・リポート」です。
監督スティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズという豪華なメンバー。
評価もサターン監督賞、エンパイア賞男優賞などの賞も受賞した作品です。
本作はSF映画のジャンルとされていることが多いのですが、今回はサスペンスの目線で紹介させて頂きます。
何故なら、消された少数派意見に近づくにつれて明らかになっていく事実を目の当たりするまでの過程は推理サスペンス感が満載だからです。
未来を予知できる超能力者(プリコグ)の力を利用し犯罪を未然に防ぐ犯罪予知システム。
システムを利用し治安を守り権力を手に入れた犯罪予防局、その成果により殺人発生率は0%に。
しかしシステムを良く思わないダニー・ウィットワー、そしてシステムの存続を守ろうとするジョン・アンダートン。
皮肉にも自らが未来の殺人犯になると予知されたジョン・アンダートン刑事、しかしその背景には隠された秘密(マイノリティ)が存在したのです。
システムの存続と自らの潔白を証明しようとするジョン巡り様々な思惑が混じりあい、消されたマイノリティリポートの存在が明らかに。
本記事では「マイノリティ・リポート」の基本情報、見どころおすすめポイント、ストーリー、まとめの順に執筆していす。
マイノリティ・リポート基本情報
監督:スティーヴン・スピルバーグ
日本公開日:2002年12月7日
上映時間:145分
主な登場人物、キャスト
(ジョン・アンダートン/犯罪予防局の刑事)トム・クルーズ
(ダニー・ウィットワー/司法省調査官)コリン・ファレル
(ラマー・バージェス/犯罪予防局局長)マックス・フォン・シドー
(アガサ/予知能力者プリコグ)マンサ・モートン
(ララ・クラーク/ジョンの先妻)キャスリン・モリス
マイノリティ・リポート見どころ、おすすめポイント3選
①目が放せないマイノリティリポートを巡っての攻防とミステリアス
なんと言っても、少しでも目を放すと大事な部分を見逃してしまうほどに細かな内容になっています。
犯罪予知システムで解かるのは予知能力者(以下プリコグ)の予知夢を映像化したものです。
それ故にじっくり見てないと見落として、「今のは何?」という事になってしまいます。
だからこそ何回見ても楽しめるとも言える事が見どころと言えます。
そして物語が進むにつれて明らかになっていくショーンの誘拐に隠された真実と隠蔽
ミステリー映画の醍醐味が満載に含まれています。
②やはりトム・クルーズはカッコイイ
今回のトム・クルーズの役は刑事であり父親であり逃亡者でもあります。
アクションはもちろん、息子を失った悲痛な姿も見事に演じカッコよさ満載です。
③迫力満載の映像で描く未来世界も圧巻です
本作の舞台は2054年となっているので、とにかく文明が進んでいます。
まるでメタバースの世界のようで、今現在の進化系の世界が描かれています。
例えば街中で見かける広告がその人にあった内容の表示であったり、リアルタイムでニュースが新聞に表示されたりもします。
でも恐怖を感じるのは眼球を全て登録され、あらゆる場所で監視されている事です。
理想世界である半面、恐怖も感じる世界感が見どころです。
そして、様々な映画作品で描かれる未来ではAI(人工知能)による支配などが多いと思うのですが
「マイノリティ・リポート」に関しては人間の超能力(予知能力)と化学の進歩がメインなので新たな見ごたえを感じるでしょう。
以上のようなポイントを紹介しましたが沢山の見どころがあるので、是非1度鑑賞して楽しんで下さい。
マイノリティ・リポート、ストーリー(*まだ本作品を鑑賞されていない方は飛ばして下さい)
舞台は西暦2054年、文明も進化しあらゆる場所で人は監視されて生活しています。
主人公のジョン・アンダートン(以下ジョン)は6年前に息子のショーンを誘拐されて以来、心を病んでいます。
ジョンは麻薬の力をかり何とか精神を保っている状況なのでした。
そんなジョンは犯罪予防局の刑事として仕事に没頭して妻のララとも離婚し、今なおショーンを誘拐した犯人を追っています。
犯罪予知システムとは3人の能力者(プリコグ)の予知のイメージを映像化したもので、犯罪予防局の刑事はそれを手掛かりに犯罪を未然に防ぐのです。
予知されると事件の被害者、加害者の名前が刻まれた木の玉が出てきて捜査開始です。
そして犯罪予知システムは全米での展開を図るための国民投票を控えています。
しかし犯罪予知システムを快く思っていいない者もいます。
ある日司法省調査官のダニー・ウィットワー(以下ウィットワー)が犯罪予防局を訪れます。
ウィットワーはプリコグの聖域に入ることをジョンに迫ります。ジョンは拒否しますが結局入室を認める事に。
ウィットワーはの目的はシステムの欠陥さがし、しかし本当の目的は人間の欠陥を探る事だった。
ウィットワーが去った後、プリコグの唯一の女性アガサがジョンにしがみつき女性が溺死させられた事件の映像を見せます。
ジョンは逮捕された囚人の収容所に足を運び、アガサが見せた事件の記録を探します。。
映像は3人のプリコグのイメージを合成し作られています。
溺死させられた女性の名前はアン・ライブリー、犯人の身元不明、目玉を入れ替え認証されていなかったからだ。
しかも溺死事件にはアガサのイメージが含まれていなかった。
分かったのはアン・ライブリーはニューロイン中毒であった事、そして麻薬を絶ったがその後は行方不明になっている事だけだった。
ジョンはこのデータを盗みとったのだ。
その後ジョンは上司である犯罪予防局局長ラマー・バージェス(以下ラマー)を訪ね、経緯を話した。
一方その頃、ウィットワーはジョンの自宅に入り麻薬を見つける。
新たな犯罪の予知がでた被害者はリオ・クロウ(以下クロウ)、ジョンはイメージをたどりに事件現場を探していく。
事件現場にはクロウと窓の外にサングラスをかけた男がいた。
そしてクロウを銃で撃っているのはジョンであった。
その場を逃げるジョンはウィットワーと鉢合わせてしまう、ウィットワーはジョンの自宅で見つけた麻薬を手に。
ジョンはウィットワーにハメられたと。
逃げるジョンはラマーにイメージを改ざん可能か問いただす、ラマーは自分の家に来いと言うがウィットワーが先に到着。
そしてウィットワーの指揮でジョンの捜索が始まる。
必死に逃亡するジョンが向かったのはシステムの設計者ハイネマンだった。
ジョンはハイネマンから犯罪予知システム完成プロセスを知らされる、そのプロセスに多くの子供の死があった事。
そして3人のプリコグのイメージが異なる場合、システムが完ぺきである必要のためにマイノリティ・リポートを消す事があるという事実も。
リポートはアガサの脳に存在する、ジョンは自分のマイノリティ・リポートを探す事を決める。
ジョンは聖域に侵入するため眼球を取出し、他人の眼球と入れ替える手術を行う。手術後は12時間決して包帯を取ってはいけない。
そして30分のみ顔を変形できる機械と自分の眼球を受け取る。
その12時間の間にも捜査の手がジョンに迫る。
一方ウィットワーは事件のイメージの中でアガサの存在をしる、そして彼もまた聖域に向かう。
何とか12時間をやり過ごし聖域に侵入したジョンはアガサを連れ出すことに成功する。
そしてジョンはアガサの脳にアクセスしマイノリティ・リポートを探す。
しかしジョンがクロウを射殺するイメージ以外のものは見つからなかった。
その直後、アガサが再びアン・ライブリーの溺死事件のイメージをジョンに見せた。
捜査の手が迫って来たので再びジョンとアガサの逃亡が始まる、アガサが未来を予測し何とか回避ができた。
ジョンが事件を起こすまで後12分、向かった先は偶然にもみつけたクロウの滞在するホテルだった。
アガサはまだ未来を変えられると言うが、ジョンは真相を知りたいがためにクロウの部屋に。
部屋に入るとベッドの上に子供たちの写真が散らばっている、そこには息子ショーンの写真も・・・
追い詰められたクロウが真実を語りだす、ショーンを誘拐する事は誰かの依頼であったと。
しかし事件は回避できなかった。クロウが自らジョンの拳銃で自分を撃ったのだ。
殺害現場を見たウィットワーは違和感を覚えラマーをジョンの家に呼びだした。
そしてアン・ライブリーの事件の2人プリコグのイメージを見せ、その後アガサのイメージをを見せた。
なんとイメージが違ったのだ。ウィットワーは別々の事件だと、そして誰かがアガサのイメージを消したのだと。
するとラマーは銃でウィットワーを射殺したのだ。
ジョンとアガサはララの元に向っていた、ラマーはは2人を引き留めておく様にララに言った。
ジョンはララに全てを話したジョンがクロウを殺すよう罠にハメたことを。
そしてジョンは気づいた、アン・ライブリーの事件の真相を知ってしまった事が原因だと。
アガサは2人に話すショーンの成長した姿のイメージを、そこには愛が溢れていた。
子供を取り戻したい気持ちは彼女も同じだと、それはアン・ライブリーの事を示していた。
そうアガサの母親がアン・ライブリーだったのだ。
ジョンは犯人は誰だったのかアガサに問う、しかし逃げろとアガサが叫んだその時、警官が現れジョンは逮捕された。
アガサは聖域に戻りジョンは収容された。
ララはラマーの家に、ララは逮捕される前にアン・ライブリーの事を話したとラマーに言う。
しかしラマーは知らないと、そしてジョンにはウィットワー殺しの容疑があると言った。
だがラマーが言葉を誤った、アン・ライブリーの事件が溺死だった事を話してしまった。
ララは溺死とは口にしていなかったのに、ラマーは記者会見の場に出て行った。
ラマーは記者会見で喝采を浴びている、そして記念の銃をプレゼントされた。
そこに電話が入る相手はジョン、そして会場ではラマーがアン・ライブリーを殺害する映像が流れた。
ラマーにとってプリコグであるアガサの母親アン・ライブリーの存在は邪魔だったのだ。
新たな殺人の予知がでた、被害者はジョン・アンダートン。
ジョンとラマーが対峙する。
ジョンを殺害しなければシステムは崩壊、殺害すれば収容所送り。
選択に迫られたラマーは自殺を選んだ。
その後、犯罪予知システムは崩壊、3人のプリコグも安らかに過ごしている。
ジョンとララは再び一緒に、ララは子供を授かっていた。
そして静かに物語の幕は下ります。
理想世界に消された少数派意見!映画マイノリティ・リポートを考察のまとめ
今回は「マイノリティ・リポート」を紹介させて頂きました。
ここからは個人的見解を述べていきます。
やはり長時間の作品ですがスピルバーグ監督の手腕は「さすが」だなと感じます。
非常にメッセージ性が多い作品だとも感じます。
特に未来は不確定であり、自らの力で切り開いていく事の重要さを受け取りました。
なお9.11以降のアメリカ政府による国民の情報管理についての問いかけも含んでいる模様です。
ただ素直に映画は楽しめるものだと思うので難しい事は置いといて鑑賞して下さい。
たけしゃんの映画三昧では、これからも多くの作品を紹介していきます。
それでは次回の作品でお会いしましょう。